この商談のゴール
設備を売る時間ではありません。
「この家のエネルギーを、これから何十年どう設計するか」を一緒に決める時間です。
ハチドリは設備を売る会社ではなく、お客様が本当に解決したい課題にソリューションを届ける会社です。設備を売る会社にとっては価格が一番の武器になりますが、私たちが価格で戦い始めた瞬間、一番安い会社が勝つゲームになります。この商談で取りに行くのは、値段の納得ではなく3つの「はい」です。
- はい ①本音の「はい」「暮らしを世の中の状況に左右されたくない」——この一言をお客様の口から引き出す幕1
- はい ②設計の「はい」「この設計は、うちの暮らしに合っている」——金額を出す前に取る幕4
- はい ③パートナーの「はい」「この人たちと組む」——買うかどうかではなく、組むかどうか幕8
取りに行かない「はい」
「安いから買う」という「はい」は、意図的に取りに行きません。そこで決まった契約は、翌週にもっと安い見積書が届いた瞬間に崩れます。私たちが選ばれたいのは、そこではありません。
幕1
将来払い続ける電気代を、どうするか
狙い「払う以外の選択肢がない」という事実を、この家の数字で突きつける
時間25分(60分版でも死守)
使う資料検針票/提案用資料「過去15年で高騰し続ける電気料金」ほか
ここで取るものはい① 本音の「はい」
やることは3つ。①この家の数字で「払う以外の選択肢がない」ことを突きつける ②「暮らしを世の中の状況に左右されたくない」という本音を言葉にする ③「それなら私たちが力になれるかもしれない」という共通認識を握る。90分のうち25分をここに使います。
STEP 1今の数字を、お客様の口から出していただく3分
検針票/電力会社のWeb明細を、その場で開いていただきます。こちらが推測で言わないこと。お客様ご自身に言っていただくことに意味があります。
① 数字を出していただく
先月の電気代、いくらでしたか。
一番高かった月と、一番安かった月はどれくらい違いますか。
去年の同じ月と比べると、いかがでしたか。
コツ
聞いた数字は必ずその場で紙に書く。商談の主役が「この家の数字」であることを、物理的に固定します。
STEP 2まず「据え置き」で30年に伸ばす3分
いきなり値上がりの話をしない。一番やさしい前提=据え置きから入ります。
② 据え置きで計算する
もし、これから30年間、電気代が1円も上がらなかったとしたら——いくらになると思われますか。
(電卓をお渡しする、または目の前で叩く)
月15,000円 × 12ヶ月 × 30年 = 540万円です。
順番が命
上昇を語る前に、据え置きでも540万円という事実だけを置きます。ここで十分に重い。いきなり上昇率を持ち出すと「不安を煽る営業」に見えて、この後がすべて効かなくなります。
STEP 3上昇シナリオを3つ、並べて出す5分
「上がると思う」はこちらが言わず、お客様に言っていただく。そのうえで3つ並べます。
③ 上がるかどうかを聞く
では、うかがいます。この先30年、電気代が1円も上がらないと思われますか。
(お客様が「上がると思う」とおっしゃるのを待つ)
私もそう思います。では、上がったらどうなるか、3つ並べてみます。
他の月額のご家庭は 11 30年総額 早見表 を見てください。
なぜ「年◯%複利」ではなく「1割・3割・5割」なのか
複利のほうが正確ですが、お客様の頭には入りません。「1割上がったら」は誰でも一瞬で想像できます。伝わらない正確さより、伝わる誠実さを取ります。
上昇率は断言しない
提案用資料には「2030年に60%上昇」と断言しているスライドがあります。これは次のSTEP 4の「私にもわかりません」と正面から矛盾します。現時点では、実績(2010年→2022年で60%上昇)は事実として見せ、未来については断言しないでください。(社内で表現を統一中)
STEP 4「わからない」と正直に言う3分
この商談全体の転換点。予測を押し付けない。押し付けた瞬間に、ただの不安商法になります。
④ わからない、と言い切る
正直に申し上げると、このうちどれになるかは、私にはわかりません。誰にもわかりません。燃料の値段も、為替も、国の政策も、私たちには決められませんから。
(一拍おく)
——ただ、私が今日いちばんお伝えしたいのは、金額の大きさではないんです。どれになったとしても、◯◯さんには「払う」以外の選択肢がない。そこなんです。
3割上がりますと言われたら、払うしかない。断ることも、値切ることも、他所から買うこともできない。これから30年、ずっとです。
ここで何が起きているか
金額で脅すのではなく、決定権が自分にないことを突きつけています。これが「エネルギー依存」の正体を、専門用語をひとつも使わずに伝える唯一の方法です。
STEP 5数字を、この家の暮らしに翻訳する5分
金額のままでは他人事で終わります。必ず暮らしの言葉に落とす。しかもお客様に言っていただく。
⑤ 何にあたるかを聞く
たとえば3割上がった場合の162万円。◯◯さんのご家庭にとって、これは何にあたりますか。
(お子さまの学費・進学、車の買い替え、ご家族の旅行、老後の蓄え、繰上返済 など。お客様に挙げていただく)
つまり——世の中の情勢次第で、その予定のほうが消えるかもしれない、ということです。電気は止められませんから、削るとしたら、そちら側になります。
ここで初めて「暮らしが世の中の状況に左右される」が、抽象論ではなくこの家の具体になります。お客様がご自分で挙げたものなので、反論のしようがありません。
STEP 6共通認識を握る5分
幕1の目的地。ここを飛ばさない。相槌ではなく、言葉で言っていただくまで待ちます。
⑥ 本音を確認する / ★必ずお客様のお返事を待つ
うかがいたいことがあります。
◯◯さんは、これからの暮らしを、世の中の状況で左右されたくない——そうお考えですか。
⑦ 力になれる「かもしれない」と伝える
ありがとうございます。それであれば、私たちがお力になれるかもしれません。
逆に、もし「とにかく電気代を少しでも安くしたい」ということだけであれば、正直、もっと手軽な方法もあります。契約プランの見直しとか、そちらのほうが早いです。その場合は、私たちである必要はないと思っています。
今日は、前者のお話をさせてください。
この言い方でなければいけない理由
「かもしれません」と留保するから、押し売りになりません。「うちである必要はない」と自分から言うことで、ハチドリが一番大事にしている「いいことだけを話さない」を、商談の冒頭で実演してしまえます。
——ここから先、お客様と私たちは同じ側に立ちます。売る側/売られる側の構図が消えます。
STEP 7議題を確定して閉じる1分
⑧ 今日の議題を言い切る
なので今日は、この総額を、これからも全部よそにおあずけになるのか。それとも、一部をご自分の手に取り戻すのか。
それだけを、一緒に考えさせてください。
議題が「太陽光を買うかどうか」ではなく「依存を続けるか、降りるか」に確定しました。これで「はい①(本音の"はい")」が取れています。
幕1の鉄則:この数字は「問い」に使う。「主張」に使わない
「だから太陽光がお得です」と続けた瞬間に、経済性の土俵へ落ちて商談全体が崩れます。この総額は、依存の大きさを見ていただくためだけに使ってください。
→ 次:幕2 この家の暮らしを聞く
幕2
この家の暮らしを聞く
狙い幕1で握った本音を、設計に使える解像度まで具体化する
時間10分
使う資料資料は閉じる(紙を見ながら聞くと尋問になる)
ここで取るもの設計に必要な情報
ただの質問攻めにしないため、すべて「設計に必要だから聞く」という理由を添えてください。理由を言うだけで、同じ質問がまったく違う意味になります。
幕2の閉じ方
ありがとうございます。いまうかがったことを全部踏まえて、◯◯さんの家のための設計をご説明します。
ここまでで35分。残りが提案本体です。この配分で正解です。
→ 次:幕3 ゴールを置き換える
幕3
ゴールを置き換える
狙い買っていただくものの定義を変える
時間5分
使う資料提案用資料「代表メッセージ」
ここで取るもの提案の主語の合意
ここを通すと、このお客様の中で「太陽光=設備」ではなくなります。以降、価格比較の土俵に戻りにくくなります。
ゴールの置き換え
電気代が下がるのは、ゴールじゃなくてはじまりだと考えています。
私たちがお届けしたいのは、エネルギーをご自分でコントロールする力です。
ハチドリ体験とは
お客さまが今よりもっと自由な暮らしのために、
エネルギー依存からの脱却を共に実現してくれる
パートナーを得ること
お客様の前での言い方
上の定義文は私たちの共通言語です。お客様の前ではそのまま読まず、こう言い換えてください。
▶︎「今よりもっと自由に暮らすために、電気を誰かに依存しなくていい状態を、一緒につくる。それが私たちのお仕事です」
ここで「代表メッセージ」を開く
提案用資料の「代表メッセージ」(池田がミクロネシアで友人の家が流された原体験)は、冒頭ではなくこの幕で開いてください。「なぜ私たちがそれを言うのか」の裏づけとして、いちばん効きます。
幕3の閉じ方
今日ご提案するのは、設備ではなく、この状態です。
→ 次:幕4 設計を見せる
幕4
設計を見せる
狙い「商品」ではなく「この家のための設計」として出す
時間25分
使う資料提案用資料「太陽光発電の仕組み」→「ソーラー+蓄電池プラン」
ここで取るものはい② 設計の「はい」
ここで初めて具体に入ります。出す順番が決まっています。順番を守ると、蓄電池は「つけるかどうか迷うオプション」ではなく設計の必然になります。
- この家の電気の「使われ方」を先に見せる — 昼にいくら、夜にいくら
- 太陽光だけだと、どこまでしかまかなえないかを見せる — ここが分岐点
- 蓄電池を入れると、何が変わるかを見せる — 枚数と自給率が変わる
- この家の設計を確定する — 枚数・容量・設置後
STEP 1この家の電気は、いつ使われているか5分
設計の説明の前に、お客様がご自分の暮らしを客観的に見る瞬間をつくります。
① 昼と夜に分ける
◯◯さんのお宅は、月におよそ450kWh。このうち、昼間にお使いなのは3〜4割ほどです。
残りの6〜7割は、朝と、夕方と、夜。——さきほどうかがった生活時間そのままですよね。
そして太陽光が発電するのは、昼だけです。
STEP 2太陽光だけだと、どこまでしかまかなえないか7分
この商談でいちばん大事な説明です。ここを飛ばすと、蓄電池が「高いオプション」に見えてしまいます。
② 太陽光だけの場合
太陽光だけを載せた場合、つくった電気のうち昼に使いきれる分にしか意味がありません。
余った分は、このプランでは売電の権利が私たちにありますので、◯◯さんのお手元には残りません。
ですので正直に申し上げると——太陽光だけなら、◯◯さんの屋根には3枚しかおすすめできません。それ以上載せても、◯◯さんの得になりませんから。
3枚だと、年間の電気の28%しかまかなえません。残りの72%は、これまでどおり電力会社次第です。
ここで幕1に戻す(★この商談の要)
▶︎「◯◯さんはさきほど、『これからの暮らしを世の中の状況で左右されたくない』とおっしゃいました。
——あれは、昼だけの話ではないと思っています。」
太陽光だけでは、依存から降りられるのは昼だけです。幕1で握った本音に対する答えになりません。この一言を必ず言ってください。
STEP 3蓄電池を入れると、何が変わるか7分
③ 蓄電池の役割
蓄電池を入れると、昼につくった電気を、夜に回せます。つまり、夜の分もご自分の電気でまかなえる。
すると、載せられるパネルが3枚から10枚に増えます。年間の95%が、ご自分の電気になります。
——ですので、蓄電池は「ついでに付ける機械」ではありません。太陽光を活かすための装置です。
それと、停電しても暮らしが止まりません。
載せられるパネル枚数と自給率(概算)
この表の前提(お客様に聞かれたら答えられるように)
昼間にお使いの割合を消費量の35%、年間発電量を1kWあたり1,100kWh、パネル1枚を0.465kW、蓄電池は1日に公称容量ぶんを使える前提(HUAWEI 製・dod=1.0)として計算した概算です。年間発電量は本来は都道府県別(970〜1,200/広島1,140)で、この表は全国平均相当です。枚数は余りが出ない範囲で切り下げています。日ごとの平均で計算しており、季節による変動は織り込んでいません(春秋は多少余剰が出ます)。正式な数字は現地調査後の設計でお出しします。
お客様の実際の使用量で計算するには、商談用ツール「この家のエネルギー設計」を使ってください(配布準備中)。
STEP 4この家の設計を確定する6分
④ 枚数の決め方 / ★他社見積との差がここで決着する
◯◯さんの屋根には、物理的には15枚載ります。でも、10枚をおすすめします。
◯◯さんの暮らし方だと、それ以上載せても使いきれません。使いきれない電気に、お金を払っていただきたくないんです。
これは値引きの理屈ではありません
「載るだけ載せない」は、ハチドリ体験そのものの証明としてここに置いてください。他社が15枚で見積を出していれば、この一言でお客様の中で決着がつきます。
逆に「安くするために減らしました」と説明すると、ただの値引き交渉に落ちます。
設置後のお話(i-Power Engine)は、言い切れる範囲でだけ
「天気・料金・暮らしに合わせて運転を自動で最適化し、使うほど賢くなる」は現在開発中です。提供予定時期・追加費用がかからないこと・契約書に明記されることが言い切れる範囲でのみ触れ、「もう使えます」とは絶対に言わない。
蓄電池を「オプション」として提示しない
提案用資料には「ソーラープラン」と「ソーラー+蓄電池プラン」が2枚並んでいますが、この2枚を並べて「どちらにしますか」と選ばせないでください。並べた瞬間、蓄電池は「削れる費用」になります。
正しい出し方は、上のSTEP 2 → STEP 3 の順に説明したうえで、蓄電池つきを"この家の設計"として1本で出すことです。ソーラー単体は、お客様から「太陽光だけでいくら?」と聞かれた場合にのみ、「3枚・自給28%になります」という事実とセットでお答えください。
「売電15円 vs 自家消費35円」のスライドは、この幕でだけ使う
幕1の直後に出すと、話が損得に戻ります。STEP 3の補足として使ってください。
幕4の閉じ方 / ★ここで「はい②」を取る
この設計、◯◯さんの暮らしに合っていますか。
ここで「はい」が取れなければ、金額に進まない
設計の「はい」が取れていない状態で金額を出すと、商談は必ず価格比較に落ちます。合わないところがあれば幕4に戻って設計をやり直してください。その日は金額を出さずに持ち帰ってよい。これは営業ルールです。
→ 次:幕5 数字
幕5
数字
狙い説得ではなく確認。幕1の数字を回収して額縁を閉じる
時間10分
使う資料シミュレーション資料→「初期費用0円の理由」→「経済メリットの考え方」
ここで取るもの取りに行かない(数字の「はい」は取らない)
冒頭に戻す
最初に3つ並べましたよね。あれが、こうなります。
見せたいのは金額の差ではなく、「振れ幅が縮むこと」
今のままなら540万〜810万円(振れ幅270万円)。設計後は、この振れ幅が大きく縮みます。
この表で言うこと
上がっても、上がらなくても、◯◯さんのお支払いはこの範囲に収まります。
世の中がどう転んでも、暮らしが振り回されにくくなる。——これが、今日いちばんご提案したかったことです。
「回収は何年ですか」と聞かれる前に、こちらから言う
▶︎「回収年でご判断されないほうがいいと思っています。回収年で比べると、一番安い会社が良い会社になってしまう。私たちは、そこで選ばれたいと思っていません」
幕5の閉じ方
数字は、設計が合っていれば後からついてきます。今日いちばん見ていただきたいのは、さきほどの設計のほうです。
数字の「はい」は取りに行かない
ここで押すと、せっかく変えた土俵が価格に戻ります。商談で数字が出るのは、幕1と幕5の2回だけ。途中で「お得です」を挟まないでください。
→ 次:幕6 不安に、こちらから正直に応える
幕6
不安に、こちらから正直に応える
狙い不安を潰す場ではなく、正直さを見せる場
時間10分
使う資料提案用資料「独自の補償とアフターサポート」
ここで取るもの「悪い話も先に言う会社だ」という認識
聞かれる前に、こちらから出します。これがハチドリの「いいことだけを話さない」の実演です。
- 15年間のお支払いは、しばらく持ち出しに見える時期があること
- 故障したらどうなるか/保証の範囲と、範囲外
- お住み替え・ご売却のときにどうなるか
- 屋根の修理・葺き替えが必要になったとき
- 会社が15年もつのか(ボーダレス・ジャパングループ、JR西日本グループとの共同事業)
- パワーコンディショナの交換時期と費用
幕6の閉じ方 / ★「他にご心配は?」で終わらせない
私たちが今日お話ししなかったことで、気になっていることは必ずあると思います。遠慮なく、意地悪な質問をしてください。
答えられないことは、その場で作らない
推測で答えないでください。「確認してご連絡します」が常に正解です。ここで一度でも曖昧に答えると、幕1から積み上げてきた信頼が一気に消えます。
→ 次:幕7 パートナーの証明と、落とし
幕7
パートナーの証明と、これから起きること
狙い「この人たちと組む」の材料を置き、降りた先に何があるかを伝える
時間7分
使う資料提案用資料「サービスの提供体制」→「施工実績と行政認定」
ここで取るもの「はい③」の下地
① 口だけじゃない、という証明
証明の3点
① エネルギープランナー/社内にエネルギーの専門家がいて、お客様お一人ひとりにとってのベストを考え抜きます
② 真摯さ/いいことだけをお話ししません。ひとつひとつのご不安に、正直にお応えします
③ ワンストップ/設計・提案・施工管理・アフターまで一気通貫。47都道府県対応・業界唯一の体制です広島・山口・岡山で、JR西日本グループとの共同事業として運営しています
② 安くできる理由を、種明かしする
ここまで一度も価格の話で戦っていません。最後にだけ、安い理由を開示します。値引きだと「もっと引けるのでは」と交渉が始まりますが、仕組みだと交渉が終わります。
⑨ 種明かし / ★契約条件なので必ず伝える
最後に、ひとつだけ種明かしをさせてください。なぜ、うちがこの金額でお出しできるのか。
◯◯さんの蓄電池を、電気が足りない時間帯に、少しだけお借りします。数分から数十分、自動でです。暮らしに影響が出ない範囲で、電気が使えなくなることはありません。
その分を、リース料からお引きしています。値引きではなく、そういう仕組みです。
——これはご契約の条件になります。あとから「そんな話は聞いていない」となるのが一番よくないので、先にお伝えしておきます。
必ず「契約の条件です」と言い切る
蓄電池を電力の需給調整に使わせていただくことは契約条件であって、任意のオプションではありません。「お得なおまけ」のような言い方は絶対にしないでください。ここを曖昧にすると、契約後のトラブルになるだけでなく、幕1から積み上げた「正直な会社」がひっくり返ります。
お客様から「断れますか」と聞かれたら——「このプランでは条件になります。ご了承いただけない場合は、別のプランをご案内します」と正直にお答えください。
専門用語を使わない
社内では「VPP(バーチャルパワープラント)」と呼んでいますが、お客様の前でこの言葉を使わないでください。「電気が足りない時間帯に、少しお借りする」で十分伝わります。用語を出した瞬間に、説明が「こちらの都合の話」に聞こえます。
③ 降りた先に、何があるか
幕1で立てた問いに、ここで答えます。「依存を続けるか、降りるか」と聞いておいて、答えが「設備を入れましょう」では釣り合いません。
⑩ 降りた人が、支える側に回る
これ、実はもう少し大きな話につながっています。
いま日本の電気は、大きな発電所でまとめてつくって、みんなに配る形です。だから燃料の値段や世界の情勢に、全員が一斉に振り回される。——今日いちばん最初にお話しした、あの話です。
◯◯さんが今日やろうとしているのは、そこから降りることです。
そして——降りた人の家が集まると、そこが次の電気の供給元になります。
◯◯さんの屋根と蓄電池は、◯◯さんのご家庭を守るだけではありません。電気が足りない時間に、街を支える側に回ります。
⑪ 締めの一言
1軒でできることは、正直、大きくありません。
でも——微力ではあっても、無力ではないと思っています。
私たちは、そういう家を1軒ずつ増やしていく会社です。
なぜこの3つをこの順番で置くのか
①証明で「ちゃんとした会社だ」、②種明かしで「隠しごとをしない会社だ」、③意味で「この人たちと同じ方向を向きたい」。
——そして③は、他社が事実として言えません。蓄電池を電力網につなぐ仕組みを実際に持っていないと、口にした時点で嘘になるからです。ここが「ハチドリでなければいけない理由」の最後のピースです。
→ 次:幕8 落とし
幕8
落とし
狙い「買うか」ではなく「組むか」の判断に変換する
時間5分
使う資料全工程フロー1枚
ここで取るものはい③ パートナーの「はい」
ハチドリ体験の定義が「パートナーを得ること」である以上、最後の問いは「買うか買わないか」ではありません。
クロージング / ★「はい③」
今日決めていただきたいのは、太陽光を買うかどうかではありません。
これから15年、◯◯さんの家のエネルギーを、私たちと一緒に設計していくかどうかです。
「なぜ今日なのか」に、正直に答える
ここを避けると、必ず「一度持ち帰って考えます」で終わります。ただし絶対に煽らない。事実だけ置きます。
先延ばしのコストを、事実として置く
最後に、ひとつだけ正直にお伝えします。今日決めていただかなくても、まったく問題ありません。急かすつもりはないです。
ただ、事実として1つだけ。1年先延ばしにすると、その1年分の電気代(年間およそ18万円)は、戻ってきません。迷っている間も、さきほどの表の金額は動き続けます。
決めていただくのは今日じゃなくていい。でも、「考えない」という状態にも、金額がついている。それだけ、頭の片隅に置いていただければと思います。
次に何が起きるかを、全部お見せする
住宅の商材で決めきれない最大の理由は「この先どうなるか見えない」ことです。とくにどこまでが無料で、どこから費用が発生するかを先に言い切ってください。
- 今日ここ エネルギープランニング(本日)
- 現地調査/屋根・電気設備の確認。費用はかかりません
- 正式設計・お見積り/この家に合わせた最終プラン
- ご契約/ここから費用が発生します
- 各種申請/電力会社への連系申請など
- 工事/通常は半日〜1日
- 電力会社との連系・運転開始
- アフターサポート/保証期間中の点検・ご相談
次の1歩だけを取る
今日いただきたいのは、ご契約ではなく、正式な設計をつくらせていただく許可です。ここまでは費用はかかりません。
お帰りになったあと、ご家族に言える一言をお渡しする
商談は、帰られたあとの食卓で決まります。お客様がご自分の言葉で説明できる理由を、1つだけ持ち帰っていただいてください。
▶︎「載るだけ載せない会社だった」/「うちの暮らしに合わせて設計してくれた」/「悪いことも先に言う会社だった」/「うちの蓄電池が、街の電気を支えるらしい」
→ 流れは以上です。ここから先はリファレンス:10 使う資料と、その順番
10
使う資料と、その順番
商談で使う資料は3つだけです。資料の順番=商談の順番で、ここがずれると幕の設計が効きません。
提案用資料を「頭から順に」めくらないこと
この資料は1枚目から順に説明するようには作られていません。頭からめくると、会社紹介 → 商品説明 → 価格、という順番になり、設備を売りに来た商談に戻ります。
下の対応表のとおり、幕ごとに必要なスライドだけを開いてください。
幕 × 資料 対応表
ページ番号は版によって違うので、スライド名で指定しています。
いちばん大きな変更:会社紹介は、冒頭で広げない
従来は冒頭に「会社概要 → 代表メッセージ」と続けていました。新しい順番では、冒頭は会社概要1枚(30秒〜2分)だけにして、代表メッセージは幕3、実績・認定・体制は幕7に回します。
理由:冒頭で会社の話を広げると「売りに来た人の話」が始まってしまい、幕1の議題設定が立たなくなるためです。信頼の証明は、必要になった場面で出すほうが効きます。
どのファイルを使うか(要確認・社内)
提案用資料のフォルダに3ファイルあり、「原本(36枚)」より「原本のコピー(32枚)」のほうが新しく更新されています。現時点で、どちらが正か確定していません。使う前に必ず確認してください。
また会社概要スライドに誤記があります(所在地「東都新宿区」/設立が「2021年10月(2022年8月設立)」と二重表記)。修正までは、このスライドを読み上げないでください。
提案用資料フォルダ:Google ドライブで開く
11
30年総額 早見表
幕1 の STEP 2〜3 で使います。現在の月額から、30年でお支払いになる総額(万円)。単純計算(月額 × 12ヶ月 × 30年)に上昇率を掛けたもので、その場で一緒に検算できる粗さにしてあります。
表にない月額のとき
お客様の月額 × 360 で据え置き額が出ます。あとは ×1.1/×1.3/×1.5。電卓をお客様にお渡しして、ご自分で叩いていただくのが一番効きます。
12
落とし方の6原則
- 「はい」は3回、数字では取らない — 本音(幕1)・設計(幕4)・パートナー(幕7)。「安いから買う」の「はい」は、もっと安い見積が届いた瞬間に崩れます
- 数字は「問い」に使い、「主張」に使わない — 数字が出るのは幕1と幕5の2回だけ。同じ数字で額縁として対応させます。途中で「お得です」を挟まない
- 金額は、設計に合意してから出す — 幕4で「はい」が取れなければ、その日は金額を出さずに持ち帰ってよい
- ご夫婦そろっていない商談は、幕1で止める — 幕1で握るのは家庭の価値観であって、お一人の感想ではありません。片方だけに握っていただいても、帰宅後の食卓で必ず崩れます
- 持ち帰っていただく一言を、必ずお渡しする — 「なんか安かった」しか残らない商談は、負けています
- シミュレーションは巻末に置く — 提案書は2部構成。第1部「暮らしのエネルギー設計」/第2部「数字と条件」。試算表は主役ではありません
原則4の運用
アポイントをお取りする時点で「ご夫婦おそろいのお時間」を条件にしてください。それでもお一人だった場合は、幕1だけ実施して、幕4以降は次回に回す(金額を出さない)。同席されていれば、幕1のSTEP 5・6の問いは必ずお二人それぞれに投げること。片方の「うん」で流さない。
蓄電池のセット率は「目標」にしません
2026-08-16 決定 チームが追うのはセット率ではなく、幕4のSTEP 2 → STEP 3 を実施したかどうかです。
なぜ数字を目標にしないのか
セット率を目標にすると、幕4 STEP 2 の「太陽光だけなら3枚・自給28%」が脅し文句に変わります。そうなった瞬間、幕1で積み上げた信頼が反転して、かえって決まらなくなります。
お客様がご自分で「蓄電池が要る」と結論されるからこそ、この設計は効きます。順番どおりに説明すれば、セット率は結果としてついてきます。
商談後チェック(自己点検・上長確認)
結果ではなくプロセスを見ます。ここが埋まっていれば、その商談は正しく設計されています。
14
準備中・未確定(社内)
現場に出す前に確定が必要なものです。ここが埋まるまでは、該当箇所を口頭で補わないでください。
✳︎
使い方メモ
- 初めて読むときは、01のサマリーから順に下へ読んでください。上から読むと商談の流れがそのまま頭に入るように並べています
- この章は台本ではなく、順番の設計です。言い回しは自分の言葉で構いませんが、順番だけは変えないでください。順番に効果が乗っています
- とくに幕1 STEP 4(「わからない」と正直に言う)と STEP 6(「うちである必要はない」)は、この商談で唯一リスクを取る場所です。最初は書いてあるとおりに言ってみてください
- 商談が終わったら、幕1のどのSTEPでお客様の表情が変わったかをメモしてください。週次でこのページに反映します
- 上のタブで第1章(フォローコール)に戻れます。お電話の段階の手引きはそちらです